2017/11/30

今日は「北朝鮮がロケットに燃料入れ始めた」からもう一度「ミサイル発射について」紹介するで。
北朝鮮が「2月8日~25日の間に「地球観測衛星を打ち上げる」と国際海事機関と
国際電気通信連合へ通告したんや。
これは、2012年に人工衛星「光明星3号」を打ち上げた時と同じで。まもなく衛星の第1段、第2段などの予定落下地点情報が公開されることと思われるんや。
前回と同じ方角へ打ち上げるとすると、北朝鮮北西部の西海衛星発射場から発射され、大まかに見て1段目が韓国南西部、2段目がフィリピン・ルソン島の東方の会場に落下する、という
感じなのではないかと思うんや。
ほなそろそろ見ていこか。
弾道ミサイルと人工衛星ロケット
弾道ミサイルと人工衛星打ち上げに使われる運搬体はほぼ同じものであり、互換性のある
技術なんや。
ロシアではミサイルもロケットも「ラケータ」と言うようなんや。
デポドン2Aも銀河4号もロケット部分はほぼ同じなんや。
しかし、両者には違いもあるんや。おおざっぱ過ぎるいい方なんやが、弾道ミサイルと
人工衛星ロケットは、「何を運ぶか」「どのように飛ぶか」という点が異なるんや。
例えば弾道ミサイルとして用いるテポドンの場合、ロケットの弾頭に高性能炸薬や核弾頭を乗せて、
山なりに高度1000キロほどの宇宙空間まで飛ばし、放物線を描いて再び地上に帰ってくるように
飛ばすとするわな。
一方、人工衛星運搬体として用いる銀河4号の場合、ロケットの弾頭に宇宙衛星を乗せて水平に
飛ばし、高度約500キロの太陽同期軌道へ投入するんや。
事実上のミサイルという表現
現在発射準備が進められているロケットは間違いなく人工衛星ロケットやから、弾道ミサイル
の特徴である放物線も描かないんや。
やから、今回の実験のみを指す場合、「事実上のミサイル」とか「人工衛星と称する
ミサイル」という表現は適切ではないんや。
宇宙条約に従って平和利用されている他国のロケットまでもミサイルに転用可能な危険な
シロモノ扱いになるので、決して乱用すべき表現ではないかなと思うんや。
同時に、「事実上のミサイル」という表現が全く間違っているとも言えないんや。
今回の発射実験で得られるデータや経験を、北朝鮮が弾道ミサイル開発に利用することは
確実やからなんや。今回打ち上げられるものは確かに「事実上のミサイル」ではないんやが、
人工衛星打ち上げが北朝鮮の弾道ミサイルの開発計画の一部である以上、「事実上のミサイル
実験」であることは否定できないんや。
発射を控えた日本政府の対応
銀河4号は順調に行けば、南西諸島上空300キロの大気圏外を通過すると考えられるんや。
発射後、ロケットの速度や飛翔方向、角度といった情報は、米軍の早期警戒衛星や
海上自衛隊のイージス艦によって直ちに探知され、予想軌道が割り出されるんや。
イージス艦は想定海域に展開を始めているんや。
ロケットやその破片、部品が日本の領土、領海に落下する恐れがあれば、自衛隊法に基づく
「破壊措置命令」により、落下物を迎撃するんや。
破壊措置命令はすでに発令されているんや。
差し障りなく通貨するのであれば迎撃しないんや。
北朝鮮の目的は?
北朝鮮にとっては、米国から金王朝の体制保障を取り付けるための交渉カードとして
核ミサイルを保有する、ということが最大の目的だと思われるんや。
長距離弾道ミサイルにはビルを狙い撃ちにするようなピンポイント攻撃能力はないんや。
だからこそ、弾頭に大きな破壊力を持つ核兵器を搭載することで数キロ圏内を薙ぎ払う
というのが、長射程の戦略級弾道ミサイルの使い方なんや。
テポドンのようなミサイルは核とセットでなければならないんや。
先日の水爆実験発表や度重なる核保有宣言が示す通り、北朝鮮はこのことをよく分かっているのではないか
と思われるんや。
いや~。怖いな。北朝鮮は正気とは思われへんな。
かと思うと長距離弾道ミサイルの運用方法とかにも気を使ってるみたいやし。
狂人に脅されてるみたいやな。
まぁ何にせよPAC3とイージス艦がある限り大丈夫やと思うけど。
ほなまたね。